日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
修正早期警告スコアで起動し,救急認定看護師や特定行為看護師が主導するrapid response systemの効果
北山 淳一早田 修平岸 和樹福島 純一岩崎 安博
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2023 年 26 巻 2 号 p. 98-105

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抄録

院内心停止は予後が悪い。そのため心停止前に重症化の予兆を検出し,人的資源や物的医療資源を集中させる院内急変対応システムがrapid response system(以下RRS)である。当院において過去2年間に重症有害事象が発生した患者を調査した結果,異常兆候に気づきながらも連絡を躊躇して時間を要した可能性や,早急に対応できなかった可能性が示唆された。 迅速な連絡と対応を確立するため,修正早期警告スコアという客観的指標で起動し,病棟看護師と同じ職種である救急認定看護師や特定行為看護師が初期対応を行うRRSを導入した。その結果,2年目に予期せぬ心停止患者数が減少した。平日日勤に活動を限局し看護師個人が初期対応を担う当院のRRSは,中規模病院で院内急変対応を導入する際,参考にすべきシステムである。

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© 2023 日本臨床救急医学会
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