日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
Print ISSN : 1345-0581
ISSN-L : 1345-0581
症例・事例報告
重症化したCOVID-19妊婦に対する集学的救命事例からみた多診療科間の連携・工夫
古谷 毅一郎小松 直人田中 良知松谷 和奈角 真徳山下 紗弥張 良実鹿戸 佳代子坪内 弘明荻田 和秀
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 27 巻 5 号 p. 669-677

詳細
抄録

重症COVID-19感染妊婦の集学的な緊急帝王切開準備/ 実施時の工夫について紹介する。症例1:感染妊婦が呼吸不全で緊急帝王切開を決定した。手術室準備に時間を要したため病棟で挿管した。同209分後,緊急帝王切開で児娩出し母児ともに救命したが,長時間の母体鎮静に伴うsleeping babyで児は退室できず,高温多湿下での手術継続を強いられた。この経験から感染妊婦緊急帝王切開準備の定型化・役割分担の明確化を各科と協議し,迅速な緊急手術準備体制を構築した。症例2:感染妊婦が呼吸不全で緊急帝王切開を決定し22分後に出棟,手術室で挿管を実施し,同1分42秒後(手術決定28分後)児娩出した。児は速やかに退室し,通常室温下で手術継続し得た。感染妊婦の迅速な緊急帝王切開実施には,上記準備に加え出生児の鎮静など産科特有の問題を考慮した体制構築が重要である。本経験は,隔離を要する将来の新興感染症到来時の緊急帝王切開の一助となり得る。

著者関連情報
© 2024 日本臨床救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top