2025 年 28 巻 1 号 p. 33-40
目的:本研究の目的は外傷全身CT施行例の被ばく線量を実効線量で評価し,海外の文献との比較を行うことである。方法:本研究は2019年に著者らが報告した外傷全身CT被ばく線量調査の結果をもとに行った。この調査は全国の救命救急センター284施設を対象に,日本救急撮影技師認定機構が運用しているメーリングリストを用いて調査フォームを送付し,2017年8月から4カ月間に撮影された症例のdose length product(以下DLP)を集計した。このうち年齢が20歳以上で体幹部の造影検査まで行われた586症例を対象に,DLP-実効線量変換係数を用いてDLPを実効線量に換算し評価した。結果:実効線量の中央値は54.0mSvであり,最小値は8.4mSv,最大値は170.1mSvであった。実効線量が100mSvを超えた症例は48例(8%)であった。撮影方法や造影時の撮影時相の違いによる影響が考えられた。結語:本研究により国内の外傷全身CTの実効線量は,海外の実効線量より高いことが示された。よって,今後,被ばく線量を低減するために外傷全身CTにおける撮影方法の標準化が必要と考える。