目的:救急隊員が内因性の傷病者に対し,適正に病態を判断した割合およびこれに関連する因子を特定する。方法:2022~2023年までの,白山野々市広域消防本部管内の事故種別が急病で救急隊員が傷病者の搬送先医療機関を選定した2,718例を抽出し,病態適正判断群1,871例と非適正判断群847例の2群に分類し,病態適正判断率およびこれに関連する因子について検討した。結果:救急隊員が病態を適正に判断した割合は68.8%(1,871/2,718)で,疾病分類別(p<0.01)および119番通報覚知時間帯別(p=0.01)に差がみられた。高い年齢(オッズ比[95%信頼区間]:0.99[0.99-0.99]),糖尿病の既往歴(0.67[0.49-0.90]),高い体温(0.72[0.67-0.78])は適正判断率の低下と関連し,嘔吐の観察は適正判断率の上昇と関連していた(1.31[1.04-1.65])。結論:救急隊員が病態を適正に判断した割合は68.8%で,傷病者の高い年齢,高い体温および糖尿病の既往歴は病態適正判断率を下げ,嘔吐の観察は病態適正判断率を上げる。
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