日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
処方歴のない硝酸イソソルビドテープを誤使用した後,心停止となった1例
前原 健司平井 理恵永島 健太池上 良一柏谷 信博
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2025 年 28 巻 1 号 p. 78-82

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抄録

処方歴のない硝酸イソソルビドテープを誤使用した後,心停止となった症例を経験した。患者は93歳,男性。既往に心房細動,慢性心不全があった。胸が苦しくなり,受診行動中に動けなくなっているところを発見されて救急要請された。救急隊接触時,橈骨動脈触れずショック状態,意識レベルJCS 100であった。救急車内収容後に心停止(初期波形は無脈性電気活動)となり,胸骨圧迫開始後,心拍再開し,乳酸リンゲル液全開,補助換気継続で病院搬送となった。搬送後,左肘に表皮剝離があり,同部位に硝酸イソソルビドテープ40mgが2枚貼付されていることが判明し,心停止の原因と疑われ,直ちに剝離された。その後,バイタルサイン悪化を認めず,入院5日目に自宅退院となった。患者は絆創膏と誤認して硝酸イソソルビドテープを使用していたが,本人に対する処方歴はなく,誤使用に至った背景には医薬品の譲受が考えられた。

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