2002 年 5 巻 4 号 p. 383-387
関西医科大学高度救命救急センターに入院した患者のうち,精神科的介入が必要と認めた318名に対して精神科的問題の発生要因と治療内容について検討した。年齢では30~39歳と,80歳以上の群に精神科的問題を発生する患者が高率でみられた。入院日数では長期化するほど発生率が増加した。これらの患者のうち215例にコンサルテーション―リエゾン(以下CL)ワークを行った。精神科医は救急医に比して約3倍もの多くの病名で診断し,使用した薬剤も約3倍の種類であった。近年,精神科医がスタッフとして常駐し,CLワークを実践している救命救急センターも増えているが,われわれ身体科医は精神科的問題を精神科医に任せるだけでなく,自らもCLワークを通して精神科的病態の診断能力の向上に努めなければならないと思われた。