日本臨床救急医学会雑誌
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総説
アルコール性ケトアシドーシス
伊藤 敏孝金子 直之則尾 弘文清住 哲郎伊藤 祐佳岡田 芳明
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2003 年 6 巻 4 号 p. 357-364

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抄録

アルコール性ケトアシドーシス(alcoholic ketoacidosis,以下AKAと略す)は,アルコール常用者で栄養不良と,それに引き続く脱水が契機となり発症する疾患である。その特徴は陰イオンギャップの開大を伴う代謝性アシドーシスと,β-ヒドロキシ酪酸優位なケトン体の上昇である。本疾患はアメリカでは一般に広く認識された疾患であるが,本邦ではまだ十分に認識されていない。今回われわれは,AKAに関し当院での治療経験および文献的考察をもとに,疾患概念,疫学,病態生理,診断(臨床所見,検査所見),治療,合併症,剖検所見,予後について述べる。また,本邦で提唱されている大酒家突然死症候群とAKAとの関連についても述べた。

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© 2003 日本臨床救急医学会
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