2004 年 7 巻 4 号 p. 328-333
平成11年度4月から始動した静岡県西部ドクターヘリ体制は,平成15年4月で5年目を迎かえ,平成15年3月末で累計1,533件の出動を行った。その約75%は消防機関の要請に運動した救急出動で,病院間搬送は10%以下であった。交通事故出動件数は274件あり,この中で,医師・看護師が直接,交通事故現場に出動し,初期評価・緊急処置を開始した事例を53件経験した。交通事故現場に医師・看護師が出動し,先着の救急隊とともに救急現場活動を行うことにより,事故現場にて傷病者のトリアージと外傷のprimary surveyおよび緊急蘇生処置を行うことが可能となった。今後,医師・看護師も現場出動をより効果的にするため,消防指令室とヘリ通信センターとのより緊密な連携を図るとともに,合同救助訓練の実施などにより,消防機関と医療機関との相互理解を深める必要がある。