抄録
本研究では,大学生対象に,2020 年度後期にオンライン授業を受講しての自身の自己調整学習の状況を尋ねた.その結果,以下の3点が明らかになった.(1)「eラーニングは学習に専念できる」という指向は学習を工夫する方略の使用に,「eラーニングは単調だ」という指向は学習とそのほかの時間のメリハリをつける方略の不使用に影響していた.(2)多くの学生が,授業を受講する時間や課題を終わらせるタイミングをあらかじめ決めていた.(3)オンライン授業になって時間や場所に融通が利く学習環境になったことで,学ぶことに積極的な学生を中心に,学習に取り組みやすかったと感じていた.