2021 年 2021 巻 1 号 p. 217-221
本稿では,一般的な公立小学校における ICT を活用した授業研究に際して,授業実践の主体となる学年に所属する教員にはどのような意識変容が起こるのかを検証し,研修成果を検討することを目的とした.結果,授業研究は,すべての教員において「ICT活用の抵抗感」を有意に低下させた.一方,教員は児童間や教員間における知識・技能の格差を強く感じており,実践後においてもその認識がほとんど変化しなかった.これらのことから,プログラミング教育における研修体制として,全体研修や個別研修,学年部における授業研究の特質を把握し,教員らの推進・阻害要因をバランスよく改善していけるよう,系統的・計画的に研修を実施していくことが理想的であると結論づけた.