2022 年 2022 巻 1 号 p. 121-126
当院に通院している整形外科患者38名に対して,エスノグラフィカルな手法を用いて患者が持っている「組織が完全に元の状態に戻る」という認識について調査を実施した.患者の属性を性別,年齢,疾患(外傷群,慢性群)に分け,それぞれ認識との独立性をPearsonのχ2検定を用いて検討した.性別,年齢には有意な差は認められなかったが,慢性群において有意に「元に戻る」という認識を持つことが認められた.今後はこのような認識に対して,どのような指導(教育)目標と治療目標を立てていくことが有効であるかを検討していきたい.