2023 年 2023 巻 4 号 p. 294-301
定年退職以外による教員の離職は増加傾向にあり,その背景には,長時間労働や業務過多などの労働環境の課題や,精神疾患による退職などが指摘されている.一方,退職という決断に至るまでの間には,適切なソーシャル・サポートが受けられていたかどうかも重要な視点である.本研究では,実際に定年退職以外で離職した20代の教員を対象に調査票調査を行い,退職理由と,在職時に受けたソーシャル・サポートの関係について退職理由別に検討した.分析の結果,退職理由によって受けたソーシャル・サポートに違いがあることがわかり,業務の負荷といった課題がある一方,その中で適切な支援を受けられていない可能性が示唆された.