2024 年 2024 巻 4 号 p. 282-289
本研究では,法科大学院の反転授業において積極的な予習動画の視聴に影響を与える要因を探索的に検討した.学生へのアンケート調査とインタビュー調査によって,「深い学習アプローチ,小テスト,基礎知識,判例の背景,視覚と聴覚,スライド,自由視聴,仕組み,口頭試問,期末試験」の10要因が見いだされた.また,法科大学院の反転授業特有の要因としては,学生は予習動画で判例の背景が説明されることにメリットを感じていること,口頭試問が予習動画を再度視聴するきっかけとなり,内化と外化の往還の機会を増やしていることが示された.