2005 年 6 巻 1 号 p. 53-57
魚油由来DHAの濃縮を目的として, トリグリセリド型DHAの側鎖として存在する脂肪酸をリパーゼにより加水分解した.大豆由来レシチンを両親媒性成分としたW/Oマイクロエマルション系において, 初期反応速度を反応活性の指標として調製条件の影響を検討した.その結果, 有機相可溶化水分量と両親媒性成分のモル比 (W0値) がW0=10において極大活性を得た.イオン性の両親媒性成分であるAOT系と比較して, W0=10の条件下でレシチンを用いた系の方が約1.4倍高い初期反応速度を示した.初期反応速度の温度変化を求めたところ313K (40℃) において反応活性が極大値を示し, 活性化エネルギーは135kJ・mol-1であった.