抄録
Campylobacterに汚染された鶏肉を迅速に検査し,菌種同定するための迅速PCR–核酸クロマト法を確立した.また,C. jejuniが検出された際にquinolone 耐性能を迅速に調べる方法も確立した.鶏肉を増菌培養したFPE broth 1 mlから抽出したDNAをカクテルPCR法で増幅した,核酸クロマトを使うことでCampylobacter (C. jejuni, C. coli, C. fetus, Arcobacter butzleri)の菌種同定を試みた.結果,108の鶏肉検体より44株のC. jejuniと6株のC. coliを検出することができ,Api Campyによる検出結果と同等であった.さらにC. jejuniが分離された場合,quinolone耐性に関与したGyrA遺伝子内86番目のアミノ酸の変異をreal-time PCR法でスクリーニングすることを試みた.結果,融解曲線分析のTm値を比較することで耐性能の判定をすることができた.本方法は培養液の処理から菌種同定まで約30分,quinolone耐性が判定するまで約30分と,菌種同定・GyrA変異に伴う耐性スクリーニングを約1時間で終了することができる.