2018 年 35 巻 3 号 p. 143-148
耐熱性菌は,加熱殺菌後の食品を変敗する原因菌として注目しなければならない.一般的に耐熱性菌のスクリーニングは加熱処理したサンプルを培養する方法で行われることが多い.しかしながら,培養条件による偏りが生じるため,網羅的に検出できていない可能性がある.培養によらない生菌の菌叢解析方法としてEMA-PCR-DGGE法が知られている.
そこで,本研究では加熱処理したサンプルをEMA-PCR-DGGEで解析することで,耐熱性細菌のスクリーニングが可能か検討した.具体的には,フルーツ缶詰製造工場での拭き取り試験液から耐熱性細菌のスクリーニングを行い,培養条件を工夫することで目的細菌を分離した.
その結果,Micromonospora属とPropionibacterium属の細菌を分離することに成功した.分離した細菌の耐熱性を評価したところ,Micromonospora属の分離株について耐熱性が認められたため,EMA-PCR-DGGEによる耐熱性細菌のスクリーニングの有効性が示唆された.