食品と微生物
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IDテスト・SP-18による食肉および食肉製品由来黄色ブドウ球菌の生化学的性状の検討
三瓶 憲一今野 純夫品川 邦汎小沼 博隆倉田 浩尾上 洋一
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1985 年 2 巻 2 号 p. 88-91

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抄録
ブドウ球菌簡易同定キットとして市販されているIDテスト・SP-18を用い, 食肉および食肉製品由来S. aureusの生化学的性状を検討した結果, 以下の成績を得た.
1. 供試234株のうち, 従来法で定型的性状を示した株は231株で, そのうち225株 (97.4%) がS. aureusと同定された. また, 非定型3株では2株がS. aureus, 1株はS. aureusまたはS. intermediusと同定された.
2. IDテストによりS. aureusと同定された227株は19種類の性状パターンに類別された.
3. 従来法およびIDテストによる性状は, リボース分解性において両者は異なり, 一致率は42.0%であった. 本テストでは特にVP反応, ノボビオシン感受性試験において判定が困難であった. さらに, IDテストを使用する場合, コアグラーゼ試験を併用して行う必要のあることが認められた.
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© 食品衛生微生物研究会
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