食品と微生物
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ELISAキット「Equate Salmonella」による食肉からのサルモネラ検査法の検討
榎田 隆一平田 一郎鈴木 敬子伊藤 武寺山 武
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1989 年 6 巻 2 号 p. 107-111

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抄録
食品からのサルモネラ検出用に開発されたEquateキットの実用性を検討した結果, 以下の成績が得られた.
1. 血清型の異なるサルモネラ61株のうち60株はELISA法による吸光度0.15以上となり陽性と判定された. 陰性と判定された1株は, 非運動性のS. typhimuriumであった.
2. S. typhimurium, S. infantisおよびS. enteritidisの各菌量と本キットによる反応性は, いずれの菌株も菌量106個/ml以上で陽性を示した.
3. E. coli11株およびCitrobacter spp. 37株に対する本キットによる反応性は, すべての株が陰性を示した.
4. S. infantis, S. litchfieldおよびS. enteritidisの各菌量 (10, 102, 103個) を食肉25g中に添加し, 本キットによる反応性を調べた結果, いずれの菌株も10個のオーダーの添加により陽性を示した.
5. 市販食肉120検体について, 本ELISA法と従来の検査法による, サルモネラ検査を実施した結果, 両法とも陽性を示したものが17検体 (14.2%), ELISA法のみ陽性が13検体 (10.8%), 両法とも陰性のものが90検体 (75.0%) で, 両法による一致率は89.2%であった.
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