日本食品微生物学会雑誌
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ブロイラー盲腸内容物から分離したカンピロバクターのRAPD PCRタイプ
三輪 憲永竹ヶ原 陽一寺井 克哉加藤 秀夫竹内 常雄
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2003 年 20 巻 4 号 p. 211-215

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抄録
静岡県内の食鳥処理場で採取したブロイラーの盲腸内容物から分離したカンピロバクターをRAPD PCRにより型別した.カンピロバクターは160検体中91検体 (56.9%) から分離され, 8鶏群中5鶏群がカンピロバクター陽性であった.カンピロバクター陽性の5鶏群のうち3鶏群から複数のRAPDタイプのカンピロバクターが分離され, 2鶏群からそれぞれ単一のRAPDタイプのカンピロバクターが分離された. 複数のRAPDタイプが分離された鶏群は検査した全羽がカンピロバクター陽性で, 同一検体から複数のRAPDタイプのカンピロバクターが分離される例が見られた.これらの鶏群では, 農場において複数回のカンピロバクターによる汚染があったものと推察された. 一方, カンピロバクター陰性の鶏群は農場においてカンピロバクターの汚染はなかったものと考えられた. これらの鶏群のカンピロバクターによる汚染状況の差は, 農場における衛生管理の違いを反映している可能性がある.
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