日本食品微生物学会雑誌
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食中毒菌を同定するための核酸増幅副生成物検出の利用
齋藤 紀行遠藤 美砂子丸山 昇秋山 和夫
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2004 年 21 巻 2 号 p. 138-144

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抄録
細菌の簡易迅速検出法を確立するために, PCR副生成物のピロリン酸をPCRの陽性・陰性の判定に利用する方法について検討した.
15種の菌を用いて, 食中毒菌検出用の7種のプライマーによるPCRを行い, 電気泳動法とピロリン酸測定法でPCRの判定を行った.その結果, 4種のプライマーでは非特異的な反応のため, ピロリン酸法では陰性菌が陽性と判断させる場合があった.別の3種のプライマーは電気泳動法の結果と全く同じであった.また, いずれの場合もピロリン酸法で, 陽性菌が陰性と誤判定されることはなかった.以上より, ピロリン酸測定法はPCRの判定を安全かつ迅速に判定することができ, 食品中の食中毒菌の鑑別に有効と考えられた.
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