2016 年 80 巻 1 号 p. 20-26
トラフグ伊勢・三河湾系群における再生産成功率(RPS)の変動機構を解明するために,伊勢湾内およびその沖合域において1993–2012年に観測された水温,塩分を基に海洋環境との同期性を解析した.その結果, RPSと各成長過程における海洋環境の間に有意な相関関係がみられた.産卵期前である2月の伊勢湾中央部における10 m深水温が高く,3月の湾中央部の5 m深塩分が高く,産卵期である4月の伊勢湾湾奥部における10 m深塩分が高く,着底後である7月の湾中央部の30 m深水温が低く,10月の湾中央東部表層0 m深の水温が高い年にRPSが高い傾向にあった.ステップワイズ重回帰分析の結果に基づいて,水温および塩分値用いたRPS追算を試みた.