魚病研究
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グルゲア症アユに対する昇温治療における抗体の不関与
金 正鎬小川 和夫高橋 誓若林 久嗣
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1997 年 32 巻 4 号 p. 199-204

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抄録
 グルゲア症アユに対する昇温治療効果の持続性と抗体の関与を攻撃試験と ELISA で調べた。自然感染率20%の魚群では昇温によってシスト数の減少と抗体レベルの上昇が認められた。一方, 感染歴のない魚を感染させた群では昇温によりシスト数は減ったが, 抗体は上昇しなかった。自然感染率30%の魚群を昇温処理後, 攻撃試験を行ったところ, シスト数が増えたが, 抗体は上昇しなかった。以上の結果から治療効果は抗体レベルの上昇とは無関係で, 効果に持続性はなく, 反復治療が必要であると考えられた。
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© 日本魚病学会
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