日本消化器がん検診学会雑誌
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経験
胃内視鏡検診における極細内視鏡の有用性
河端 秀明趙 栄済安田 健治朗
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2007 年 45 巻 4 号 p. 434-438

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抄録

胃内視鏡検診における極細内視鏡の有用性を検討するため, 当院人間ドックで胃内視鏡検診を希望した196人を, 無作為に熟練度の異なる3人の術者に割り付け, 上部内視鏡検査を施行した。使用機器はオリンパス社製極細内視鏡GIF-XP260(先端部外径5mm)あるいは同社製従来型内視鏡(同9.0~10.2mm)である。検査後, 受診者に今回の検査の受容性についてアンケートを行った。極細群の54%(65/121), 従来型群の28%(21/75)が楽であったと回答し, 内視鏡経験のある受診者における前回との比較でも, 極細群の73%(80/109), 従来型群の28%(17/60)が楽であったと回答した。いずれも有意差があり, 熟練した術者で顕著であった。両群とも通常観察に支障なく, 全例検査を完遂でき, 合併症を認めなかった。極細内視鏡は検査の受容性を著明に向上させ, 胃内視鏡検診においてきわめて有用であると考えた。

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© 2007 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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