日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
胃X線基準撮影画像の評価基準 ─造影効果の評価─
淵脇 崇史石本 裕二脇田 慎一西 憲文伊原 孝志
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2011 年 49 巻 2 号 p. 228-236

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抄録

新・撮影法より, 胃X線画像の画質・精度が向上した報告がなされている。しかし, 撮影される胃X線画像では, 施設間あるいは撮影者間での格差があるのが現状と思われる。そこで胃X線基準撮影画像について, 視覚評価のひとつである造影効果を中心に基準となる画像を作成し(A~Eの5段階), 鹿児島消化器画像研究会に参加している3施設にて, 計60例(各施設20例)を対象とし, 胃X線画像の造影効果の評価・検討を行なった。施設間には撮影画像に格差を生じており, 良好な画像(評価A・B)に対して検討すると, U領域では施設2と施設3で45%の差があり, L領域では施設2と施設3で45%の差があった。格差を生じた主な原因は撮影手技の違いであった。基準画像を決めることで, 複数の施設が良好な画像に対する共通の意識を持ち, 撮影手技を考えることで画像精度の向上に繋がると思われる。

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© 2011 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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