抄録
がんと生活習慣病診断のための腹部超音波検診の精度向上を目指して, 日本消化器がん検診学会の腹部超音波がん検診基準のカテゴリー分類と日本人間ドック学会の腹部超音波検査所見の判定及び事後指導区分を用いた結果判定を比較検討した。がん検診基準のカテゴリー3以上を要精査とした場合, がん検診基準の要精査率の方がやや高くなったが, 有意差はなかった。臓器別要精査率は, 肝臓や腎臓は, がん検診基準の方が有意に低く, 胆嚢+肝外胆管は有意に高かった。発見された癌は, どちらの基準でも発見可能であった。がん検診基準は観察すべき点を詳細に示しており, 均一な検査精度となる可能性が高い。初回指摘のカテゴリー3で確実に良性疾患と診断できない場合は, 精査が必要である。脂肪肝や胆石の判定が2となるが, 生活指導は必要で, がん検診基準を元に生活習慣病を加味した事後指導を判定に加える方が良いのではないかと考える。