日本消化器がん検診学会雑誌
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52 巻, 4 号
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巻頭言
原著
  • 岸 知輝, 濱島 ちさと
    2014 年52 巻4 号 p. 431-440
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/08/15
    ジャーナル フリー
    高濃度バリウムで誤嚥増加が報告されており, 偶発症調査が求められている。2012年度医薬品医療機器総合機構(以下, PMDA)報告を用い偶発症発症率を推計し, 2010年度精度管理委員会報告(以下, 委員会報告)と比較し偶発症調査の課題を検討した。偶発症発症率は分母となる検診受診者数を変化させ感度分析を行った。
    全国集計委員会報告が検診受診者の半数を把握していると仮定したシナリオでのPMDA推計値は, 偶発症死亡率(10万人対)は0.036であり委員会報告の0.032と同等の結果となった(P=0.91)。しかし誤嚥発症率推計値は委員会報告より有意に低く(P<0.05), 消化管穿孔発症率推計値は委員会報告より有意に高く(P<0.05)結果は乖離していた。
    非常に重篤な死亡は比較的正確に把握できているが, 誤嚥や消化管穿孔は正確に把握できていない可能性がある。偶発症を定義しモニタリングを継続する必要がある。
  • 大洞 昭博, 小島 孝雄, 出口 冨美子
    2014 年52 巻4 号 p. 441-447
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/08/15
    ジャーナル フリー
    がんと生活習慣病診断のための腹部超音波検診の精度向上を目指して, 日本消化器がん検診学会の腹部超音波がん検診基準のカテゴリー分類と日本人間ドック学会の腹部超音波検査所見の判定及び事後指導区分を用いた結果判定を比較検討した。がん検診基準のカテゴリー3以上を要精査とした場合, がん検診基準の要精査率の方がやや高くなったが, 有意差はなかった。臓器別要精査率は, 肝臓や腎臓は, がん検診基準の方が有意に低く, 胆嚢+肝外胆管は有意に高かった。発見された癌は, どちらの基準でも発見可能であった。がん検診基準は観察すべき点を詳細に示しており, 均一な検査精度となる可能性が高い。初回指摘のカテゴリー3で確実に良性疾患と診断できない場合は, 精査が必要である。脂肪肝や胆石の判定が2となるが, 生活指導は必要で, がん検診基準を元に生活習慣病を加味した事後指導を判定に加える方が良いのではないかと考える。
経験
  • 島田 剛延, 盛田 美樹, 千葉 隆士, 加藤 勝章, 渋谷 大助
    2014 年52 巻4 号 p. 448-454
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/08/15
    ジャーナル フリー
    平成23年度の日本消化器がん検診学会全国集計によると, わが国の地域大腸がん検診における精検受診率は約70%であるのに対して, 職域では極めて低く約30%と報告されている。我々は職域検診における精検受診率向上のため, 1)精検処理能を確保し, 精検までの待ち日数を少なくすること, 2)受診状況の確認, 3)未受診者への受診勧奨, などを行った。平成4年度から平成23年度の職域検診の受診数は142,437名で, 精検該当者は5,180名(3.6%)であった。このうち95.4%が精密検査を受診していた。こうした対策でも職域大腸がん検診の精検受診率は改善する可能性が示唆されたが, 検診の効果を最大限に高めるには組織型検診の体制を導入するような抜本的な取り組みが必要だろう。
症例報告
  • 山里 哲郎, 入口 陽介, 小田 丈二, 水谷 勝, 冨野 泰弘, 岸 大輔, 板橋 浩一, 中河原 亜希子, 藤田 直哉, 細井 董三, ...
    2014 年52 巻4 号 p. 455-461
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/08/15
    ジャーナル フリー
    症例は54歳男性。胃X線検診にて穹隆部大弯に25mm大の表面平滑な隆起性病変を認め要精査となった。上部消化管内視鏡検査にて同部位に粘膜下腫瘍を認め, 表面平滑で陥凹等を伴わなかった。腹部CTでは同部位に28×18mm大の均一な低吸収域を認めGISTを疑ったが, 患者の希望もあり経過観察となった。3年後の胃X線検診にて同部位に35mm大の粘膜下腫瘍を指摘され要精査となった。内視鏡検査では中心に糜爛を複数有する粘膜下腫瘍を認めた。糜爛面からの生検にてGISTと診断された。EUSでは第4層に連続した比較的均一な低吸収域として描出された。腹部CTでは35×33mm大の均一で若干高吸収域な領域を認めた。腹腔鏡補助下胃局所切除術が施行され病理診断はGISTであった。しかしながら用いるリスク分類によって高リスクや低リスクとなり乖離を認め, 早急なリスク分類の統一が必要であると考えられた。
  • 新井 悠太, 小川 由佳, 小宮 雅明, 若杉 聡, 成田 信, 星 和栄
    2014 年52 巻4 号 p. 462-470
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/08/15
    ジャーナル フリー
    症例は66歳男性, 人間ドック腹部超音波検査で胆嚢腫大, 胆泥を認めた。初回指摘であり, 日本消化器がん検診学会の腹部超音波がん検診基準の(カテゴリー3’ではなく), カテゴリー3と判定した。要精査としたが, 人間ドック受診翌日に発熱を訴え, 他院を受診, 胆管癌が疑われた。当院に紹介され, 精査の結果, 下部胆管癌と診断され, 手術となった。本症例は人間ドック受診時に黄疸を認めず, 肝機能検査はALT, γ-GTの上昇のみであった。腹部超音波検査での間接所見(初回指摘のため, カテゴリー3)から精査となった。カテゴリー3(初回指摘)および3’(精査で良性と判明)症例の全てを精査とすることは現実的ではないが, 初回指摘であるカテゴリー3症例は精査すべきと考えた。
委員会報告
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