抄録
大腸がん検診において重点的に対処すべき年齢を明らかにするために, 宮城県がん登録により40歳以上の大腸癌11,415名を把握し, 性年齢階級別にスクリーニング発見癌と外来発見癌の進行度と予後を調査した。さらにこれらの成績を用いて, 検診により期待される救命年数を算出した。その結果, 男性では55~74歳, 女性では55~79歳がまず重点的に対処すべき年齢層と考えられた。男性の75~84歳, 女性の80~84歳については, 良好な健康状態にあるならば, 受診を勧める意義は十分あると思われた。85歳以上については検診による予後の改善はほとんど見込めず, この年齢層への積極的な勧奨は不要と思われた。罹患率の増加・平均余命の延長・精検受診率の向上は検診の効果に少なからぬ影響を与えており, 今後も状況に応じて適宜評価する必要があると思われた。