日本消化器がん検診学会雑誌
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症例報告
胃がん検診の上部消化管X線検査後に生じた器質的疾患が無い直腸穿孔性腹膜炎の一例
近藤 優河合 美由花
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2016 年 54 巻 3 号 p. 404-409

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抄録
症例は60歳女性。平成23年度のがん検診でバリウムによる上部消化管X線検査を施行, 同日の夜には排便を認めた。しかし検査2日目に下腹部痛が出現し当院救急外来を受診した。腹部単純CTを施行したところ直腸内にはバリウム便が貯留し, 近傍の直腸で腸管外へのバリウムの漏出を認めたことからバリウムによる直腸穿孔性腹膜炎と診断し緊急手術を施行した。上部直腸前壁に約3cm大の孔を認め, 孔の肛門側の直腸内にはバリウム便の塊がはまり込んでいた。穿孔部および近傍の大腸には腫瘍や憩室は認めなかった。Hartmann手術・腹腔洗浄ドレナージを行った。上部消化管X線検査は多くの施設で上部消化管疾患に対するがん検診として一般的に施行されている。バリウム検査の副作用として消化管穿孔は挙げられているものの発症頻度は少なく, 器質的疾患を伴わない場合はさらに少ない。今回われわれは上部消化管X線検査後の直腸穿孔の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
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© 2016 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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