日本消化器がん検診学会雑誌
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54 巻 , 3 号
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巻頭言
総説
  • 祖父江 友孝
    2016 年 54 巻 3 号 p. 392-396
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    2007年に策定されたがん対策推進基本計画では, 75歳未満のがん年齢調整死亡率を10年間で20%減少させることが全体目標の1つとして採用された。しかし, その設定根拠として, がん年齢調整死亡率が今後も年率1%で減少し続けると仮定するなどの曖昧な部分があった。それを解決する1つの方法として, がん対策の普及の程度とがん死亡率(あるいは罹患率)の動向とを分析的に連結するシミュレーションモデル開発の必要性が指摘されており, すでに, アメリカではCISNET(Cancer Intervention and Surveillance Modeling Network)が, 国立がん研究所の支援のもとに, こうした課題に着手している。さらに, シミュレーションモデルによる検討は, 検診ガイドラインの策定の際にも, ランダム割り付け比較試験ではすべてのリサーチクエスチョンに回答できない状況において, 検診開始・中止年齢, 受診間隔に関する推奨を決定する際の基礎資料として活用されるようになっている。我が国においても, こうした取り組みを推進する必要がある。
原著
  • 馬嶋 健一郎, 山地 裕, 和田 亮一, 光島 徹
    2016 年 54 巻 3 号 p. 397-403
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    免疫的便潜血検査(IFOBT)1回法と同時に実施したスクリーニングコロノスコピー(SCS)で発見した大腸癌からIFOBTの感度を求め, 感度に影響する要因を検討した。SCS115,275件より発見されたSM以深癌100例を検討対象とした。また, 感度に影響する要因について, 性別, 年齢, 大きさ, 部位, 形態+進行度の因子をロジスティック回帰分析で検討した。SM以深癌のIFOBT1回法感度は64.0%(64/100)であった。SM以深癌の感度は右側大腸48.5%(16/33), 左側大腸71.6%(48/67)で, 右側大腸が有意に低かった(p=0.02)。多変量解析では右側大腸はIFOBT偽陰性の独立した要因であった。IFOBTによる大腸がん検診においては, 右側大腸癌の感度が低下すると考えられる。
症例報告
  • 近藤 優, 河合 美由花
    2016 年 54 巻 3 号 p. 404-409
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    症例は60歳女性。平成23年度のがん検診でバリウムによる上部消化管X線検査を施行, 同日の夜には排便を認めた。しかし検査2日目に下腹部痛が出現し当院救急外来を受診した。腹部単純CTを施行したところ直腸内にはバリウム便が貯留し, 近傍の直腸で腸管外へのバリウムの漏出を認めたことからバリウムによる直腸穿孔性腹膜炎と診断し緊急手術を施行した。上部直腸前壁に約3cm大の孔を認め, 孔の肛門側の直腸内にはバリウム便の塊がはまり込んでいた。穿孔部および近傍の大腸には腫瘍や憩室は認めなかった。Hartmann手術・腹腔洗浄ドレナージを行った。上部消化管X線検査は多くの施設で上部消化管疾患に対するがん検診として一般的に施行されている。バリウム検査の副作用として消化管穿孔は挙げられているものの発症頻度は少なく, 器質的疾患を伴わない場合はさらに少ない。今回われわれは上部消化管X線検査後の直腸穿孔の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
  • 増田 あい, 中河原 浩史, 大山 恭平, 高安 賢太郎, 平山 みどり, 三浦 隆生, 高橋 利実, 小川 眞広, 森山 光彦, 絹川 典 ...
    2016 年 54 巻 3 号 p. 410-417
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    症例は50歳男性。平成26年の腹部超音波検診で脾腫と約50mmの低エコー腫瘤を指摘され, 腹部超音波検診判定マニュアルではカテゴリー4, 判定区分はD2であり精検目的で当院紹介となった。精検予定を組んだものの, 1週間後に突然の腹痛が出現し, 腹部CTで脾腫瘍破裂と診断した。出血が少量であり, 病変が脾臓と脾門部リンパ節に限局していたため, 待機的に脾門部リンパ節を含めた摘脾術を施行した。病理組織結果より脾門部リンパ節転移を伴ったstageIIの脾原発悪性リンパ腫と診断し, R-CHOP療法を行い術後約1年再発は認めていない。脾破裂を伴った脾原発悪性リンパ腫は極めて稀な症例であり, 文献的考察を加えて報告した。脾腫瘍は自覚症状に乏しいため, 発見には超音波検診が有用であると考えられた。腹部超音波検診判定マニュアルではカテゴリー4, 判定区分はD2であり判定に問題はなかった。
この症例に学ぶ
  • 藤岡 審, 平川 克哉, 西山 憲一, 上山 浩也, 八尾 隆史
    2016 年 54 巻 3 号 p. 418-424
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
    患者は78歳, 女性。心窩部不快感を主訴に施行した上部消化管内視鏡検査にて, 胃体上部後壁に拡張した血管増生を伴う褪色調の0-IIa+IIc病変を認めた。NBI併用拡大観察では病変部の微小血管構築像に不整を認めたが, 表面微細構造の不整は乏しく癌の診断は困難であった。内視鏡所見および生検組織所見より胃底腺型胃癌を疑い, ESDを施行した。病理組織学的には, 粘膜中層から粘膜深層を中心に主細胞に類似した腫瘍細胞が不整な腺管を形成して発育しており, わずかに粘膜下層へ浸潤していた。免疫染色ではMUC6およびpepsinogen-Iが陽性であり, 胃底腺型胃癌(主細胞優位型)と診断した。同病変は7年5か月前の内視鏡検査時より指摘されていたが, 血管性病変や粘膜下腫瘍と診断されていた。本腫瘍は従来の胃癌とは異なる内視鏡像を呈することが注目されているが, 褪色や拡張した血管増生は本腫瘍の典型的所見であり, 内視鏡スクリーニングにおいて注意すべきと考えられた。
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