日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
胃がんリスク診断におけるLタイプワコーH.ピロリ抗体・J及びスフィアライトH.ピロリ抗体・Jの有用性
望月 暁山道 信毅竹内 千尋平野 千賀也和田 亮一一瀬 雅夫光島 徹
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2018 年 56 巻 2 号 p. 110-119

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抄録

血液検査による胃がんリスク診断(ABC分類)が注目されている。健常成人833人の同一血清を用いて, 抗Helicobacter pylori(Hp)抗体, ペプシノゲンI・IIを1)「Eプレート栄研H.ピロリ抗体II」と「LZテスト栄研ペプシノゲン」(E-plate法), 2)「LタイプワコーH.ピロリ抗体・J」と「LTオートワコーペプシノゲン」(Wako Ltx法), 3)「スフィアライトH.ピロリ抗体・J」と「スフィアライトペプシノゲン」(Wako CLEIA法)にて測定比較した結果, Hp陽性・陰性一致率は90%を超えていた(κ>0.85)。萎縮性胃炎例ではE-plate法, Wako Ltx法, Wako CLEIA法の抗体偽陰性率は10.9%, 3.6%, 4.5%, 偽A群率は7.2%, 3.2%, 2.7%であり, 統計学的有意差をもって, Wako Ltx法, Wako CLEIA法の臨床的有用性が示された(p<0.01)。

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© 2018 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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