2019 年 57 巻 3 号 p. 338-344
奈良市の中学3年生159名にHelicobacter pylori(以下, H. pyloriと略)感染スクリーニング検査を行い, 若年者に対するH. pylori検診の有用性を検討した。検診に対する生徒・保護者の関心は高く, 協力を依頼した生徒の約7割が検診に同意した。検診の結果, 5名のH. pylori感染者が見つかり, 感染率は全国的な既報と同程度の3.1%であった。家族内感染を考慮して両親・同胞にも検査を推奨したところ, 受検した4名のうち3名の感染が明らかになり, 1名を除菌治療につなげることができた。若年者に対するH. pylori検診は, 1)特に学校健診で行えば高い受検率が見込めること, 2)早期の除菌治療につなげることで高い胃癌予防効果が期待できること, 3)家族内の感染者の発見と除菌治療にもつなげられること, などから有用であると考えられた。