2021 年 59 巻 4 号 p. 400-410
【背景】安全性の観点から,検診における大腸内視鏡検査(CS)では観察のみを行い,ポリープ切除は治療CSで対応する方法も考えられるが,治療CS時に病変を同定できるかという懸念がある。また,CS件数の大幅な増加を避けるには,微小腺腫を無治療経過観察できるか確認する必要がある。
【対象と方法】2004年から2013年に国立がん研究センター検診センターでポリープ切除を伴わない初回の検診CSを受けた受診者データから,治療CS時の病変同定能(検討1)と,微小腺腫に対して無治療経過観察を行った場合の経過(検討2)を検討した。
【結果】(検討1)大腸癌や5 mm以上の腺腫は非常に高い割合で治療CS時に同定できるのに対し,微小腺腫の同定率は7割程度であった。(検討2)微小腺腫に対して無治療経過観察を行ってもAdvanced colorectal neoplasiaの5年累積発生率は1.4%と非常に低かった。
【結論】微小腺腫は時に治療CSでの同定が困難であるが,過剰なサーベイランスなしに無治療経過観察できる可能性がある。治療対象から微小腺腫を除く場合,ポリープ切除を伴わないCSは検診法の選択肢になりうる。