日本消化器がん検診学会雑誌
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特集:先進的手法を用いた消化器がん検診の可能性
マルチレイヤー核酸解析による膵癌早期診断の可能性
高橋 賢治水上 裕輔藤谷 幹浩
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2025 年 63 巻 2 号 p. 70-82

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抄録

体液中には腫瘍細胞由来のDNAやRNAなど「多様な核酸」が存在し, それらの変異・発現解析を介して組織診断を補完する新たな診断法として, リキッドバイオプシーの有用性が期待される。その解析標的として, 体液中の循環遊離DNA(cfDNA), 循環遊離RNA(cfRNA), 循環腫瘍細胞(CTC), そしてエクソソームなどを含む細胞外小胞(EVs)などが挙げられる。本稿では膵癌に対する早期診断, 発癌リスクや予後の層別化, 治療のモニタリングなど多角的な臨床応用を見据えたリキッドバイオプシーの取り組みについてこれまでの報告をまとめるとともに, 筆者らが取り組んできたcfDNA, cfRNA, EVsに焦点を当てたマルチレイヤーな診断体系の構築について, 国内外の知見を交えて概説する。また, 産学連携での開発・有用性の検証を進めるEVs新規抽出法を用いた, 膵癌ドライバー遺伝子変異とRNA発現解析を併用した膵癌診断パネルの実装化と, 将来的な検診応用への取り組みについて, 解決すべき課題や今後の展望を含めて紹介する。

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