自己免疫性胃炎は壁細胞にあるプロトンポンプやビタミンB12の吸収に必須である内因子に対する何らかの免疫反応から始まり, その結果生じた自己抗体と自己反応性T細胞の複雑な相互作用によって胃底腺細胞(壁細胞・主細胞)が傷害され, 胃底腺が萎縮・荒廃し, 腫瘍の発生母地にもなり得る。自己免疫反応に伴う萎縮は経時的に進行していくので, 病理組織学的な時相分類が提案されている。胃底腺の変性・消失とリンパ球浸潤に伴い深部腺は(偽)幽門腺化し, 消化管クロム親和性細胞様(ECL)細胞過形成と腺窩上皮過形成が生じる。萎縮が進むと完全型腸上皮化生も出現し, 深部腺はさらに疎になり, 最終的にはリンパ球浸潤も乏しくなる。Helicobacter pylori感染に関連した自己免疫性胃炎も注目されている。炎症と萎縮は胃底腺粘膜内で不均一に生じるので, 内視鏡的な面診断と病理学組織学的な点診断の連携が重要である。