2026 年 64 巻 4 号 p. 678-687
前壁撮影は胃X線検査において胃の前壁側の描出を担保する重要な撮影法であり,圧迫用フトンを用いて胃形を矯正し標的部位を描出するという難易度の高い撮影技術が必要となる。鈎状胃では「寝台を起こす→圧迫用フトン挿入→逆傾斜撮影」の基本手順により比較的容易に標的部位を描出できるが,この基本手順を理解することが応用的手技につながる。牛角胃や瀑状胃など非鈎状胃では背側への屈曲が強く足部側へ伸展しにくいため,立位まで寝台を起こし透視下で胃形を確認しながら厚みや硬さを調整した圧迫用フトンを挿入し,胃形を矯正し撮影する応用的な手技が求められる。また圧迫用フトン挿入時の姿勢や,呼吸のタイミングも描出に影響する。いずれの胃形でも「伸展・矯正・平板化」が共通の要点であり,受診者の体型や胃形に応じて最適化した前壁撮影をおこなうことが専門技師に求められる。