日本消化器集団検診学会雑誌
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間接X線撮影法による胃集団検診で発見された十二指腸腫瘍の2例
安保 智典村島 義男今村 哲理須賀 俊博寺倉 邦博
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2000 年 38 巻 4 号 p. 533-537

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抄録
[症例1] 患者: 59歳, 男性。集団検診の間接胃X線造影検査で十二指腸水平部に隆起性病変を認めた。平滑筋腫と診断し, 十二指腸部分切除を行った。大きさ3.3cm×2.8cm×1.8cmのgastrointestinal stromal tumor (GIST) であった。 [症例2] 患者: 46歳, 男性。集団検診の間接胃X線造影検査で十二指腸下降部に隆起性病変を認めた。十二指腸乳頭部腫瘍と診断し, 切除術を施行した。露出腫瘤型, 大きさが2.5cm×1.5cmの高分化型管状腺癌であった。 [間接胃X線撮影法における十二指腸造影画像の検討] 1.000例間接胃X線フィルムの検討では, 46.8%で十二指腸腫瘍のスクリーニングが可能なレリーフ像以上の画像が得られていた。 [結論] 間接胃X線フイルム上の十二指腸画像は不良なものが多いが, 同部位の異常所見にも十分な注意を払う必要がある。
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