2023 年 42 巻 3 号 p. 250-255
概要:プラチナ製剤は婦人科悪性腫瘍に対するkey drugであるが,投与回数の増加に伴い,特にカルボプラチン(carboplatin:CBDCA)に対する過敏性反応(hypersensitivity reaction:HSR)をしばしば経験する.今回,CBDCAにHSR既往のある患者に対する,CBDCA脱感作療法とシスプラチン(cisplatin:CDDP)脱感作療法の安全性を比較検討した.CBDCAにHSR既往のある全14例に対し,CBDCA脱感作療法を7例(38サイクル),CDDP脱感作療法を7例(30サイクル)施行した.完遂率はそれぞれ86.8%,100%で,CDDP脱感作療法で過敏症を再発症することはなかった.婦人科悪性腫瘍においてCBDCAへのHSRによりプラチナ製剤投与が制限されることは,著明な予後短縮につながる可能性がある.安全性に十分注意する必要はあるが,薬理作用機序からもCBDCAにHSR既往のある患者に対するCDDP脱感作療法を選択肢のひとつとして提案する.