概要:目的:進行・再発卵巣癌患者に対するPARP阻害薬(PARPi)維持療法別の有害事象について検討することを目的とした.
方法:2019年から2022年にPARPi維持療法を行った進行・再発卵巣癌患者を対象とした.オラパリブ維持療法(O群),ニラパリブ維持療法(N群),オラパリブ・ベバシズマブ併用維持療法(P群)別の中断,減量,中止の割合,grade(G)3以上の血液毒性の発生割合を検討した.
結果:対象症例は319例であった.初回治療における中断,減量,中止の割合(%)はO群,N群,P群において,中断60/72/69(NS:not significant),減量42/47/51(NS),中止6/7/2(NS)であった.G3以上の有害事象は貧血15/12/12(NS),好中球減少15/16/10(NS)であった.血小板減少は0/10/0(p=0.009)であり3群間に有意差を認めた.
結論:3群間において中断,減量,中止の割合には有意差を認めなかった.G3以上の血小板減少に有意差が認められた.いずれのPARPi維持療法も安全に施行できると考えられた.
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