抄録
患者が診療決定のプロセスにおいて,納得のいく意思決定ができたかということは,治療を進めていく上で欠かせない。これまで「患者満足度」という概念が多く用いられてきた。しかし,「納得のいく意思決定」を測定するには,Regret(後悔)という概念が医療の質を評価する際に非常に重要だと考える。
そこで本研究では,手術を行った鼠径ヘルニア・胆石症・胆嚢炎・胆嚢ポリープ患者を対象に,日本語版Decision Regret Scaleと健康関連QOL,患者要因との関係を検証することを目的とした。
2012年7月〜12月に都内A病院を退院した85歳未満の対象患者128名に自記式質問紙調査を行った。回収率は65%であり,有効回答(n=79)を構造方程式モデリングのパス解析により分析した結果,Regretに直接影響を及ぼしていた患者要因は「性別」のみで,男性の方が女性よりRegretが高かった。その他の患者要因である「年齢」「術式」「合併症」は,Regretに直接効果はなく,健康関連QOLを介してRegretに影響を及ぼす間接効果が示唆された。