遺伝性腫瘍
Online ISSN : 2435-6808
特集
HBOC診療 〜保険診療における次の一歩〜
平沢 晃
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 23 巻 1 号 p. 2-5

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抄録

 2020(令和2)年度の診療報酬改定では遺伝性乳癌卵巣癌(hereditary breast and ovarian cancer:HBOC)診療の一部が保険収載され,卵巣癌発症者全例および乳癌既発症者の一部に対してBRCA1またはBRCA2(BRCA1/2)遺伝学的検査,BRCA1/2病的バリアント保持者に対するサーベイランスやリスク低減乳房切除術(risk-reducing salpingo-mastectomy: RRM),リスク低減卵管卵巣摘出術(risk-reducing salpingo-oophorectomy: RRSO)が保険償還の対象となった.しかしながら,HBOC血縁者や乳癌・卵巣癌未発症者のBRCA1/2病的バリアント保持者に対しては保険未収載であり,その解決が求められる.さらに今後は,多遺伝子パネル検査(Multi-gene panel testing: MGPT)の実地診療への導入が喫緊の課題となっている.

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© 2023 一般社団法人日本遺伝性腫瘍学会
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