抄録
粒子フィルタを用いて、時々刻々、貯留量を推定しつつ河川流量を実時間で予測する並列型実時間流出予測システムをCommonMPを用いて開発し、複数の観測流量がある場合、どのように観測流量を導入すれば最も効果的かを検討する。上流にある観測地の観測流量を用いず、下流端観測地の観測流量のみを使って全ての貯留関数法モデルの状態量をデータ同化する手法、全観測流量を用いて尤度を算定し、その尤度を粒子事に掛け合わせたものから重みを算定して、全ての貯留関数法モデルの状態量をデータ同化する手法、全観測流量を用いて、観測地の直上にある貯留関数法モデルの状態量をデータ同化する手法の3つの観測流量の導入手法を検討した。その結果、全観測流量を用いて、観測地の直上にある貯留関数法モデルの状態量をデータ同化する手法が最も精度が良く、大流域に用いる際にも適度にリサンプリングする手間を省くこともできるため有用であることが言えた。