抄録
ジレンマの解消・緩解プロトコルの一つであるネットワーク互恵に関連して,トポロジーと戦略に加えネットワーク適応の速度(リンク切断確率)と戦略適応方法そのものを適応させる4重共進化モデルを提示し,それに基づく数値実験結果を報告する.協調と裏切りが併存平衡する相では,協調エージェントはリンク切断確率を高い側に進化させ,game exitオプションを行使しようとする.また,全エージェントがImitation Maxであれば相対的に高利得が得られるにも不拘(かかわらず),適応方法を進化させるとほぼ全員がPairwiseを採るようになる.戦略適応と適応方法進化に関する適応速度より,ネットワーク適応とリンク切断確率適応のそれらを小さくすることで,大きな協調サポート効果が達成される.