日本集中治療医学会雑誌
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原著
小児集中治療室における騒音の音響学的分析
春名 純一山中 寛男宮下 和久香河 清和橘 一也秋田 剛木内 恵子
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2009 年 16 巻 2 号 p. 175-180

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抄録

【目的】病院における騒音は,以前から指摘されてきたにもかかわらず,十分な対策は立てられておらず,また現状評価もなされていない。そこで,最も騒音レベルが高い小児集中治療室(pediatric ICU, PICU)において,騒音の音響学的測定と分析を試みた。【方法】大阪府立母子保健総合医療センターPICUにおいて,連続7日間および24時間の5分間等価騒音レベル,ピークサウンドプレッシャーレベル,1/3オクターブバンド等価音圧レベルを測定した。【結果】連続7日間の同時刻の等価騒音レベルは平均約60 dBA,ピークサウンドプレッシャーレベルは平均約90 dBAで,他の報告と同じく高いレベルであった。1日の8時点における測定では,日内差はあまり見られなかった。1/3オクターブバンド等価音圧レベルは全周波数帯でほぼ同じレベルで,低周波領域の音圧レベルが高かった。【結論】PICU騒音はWHOの院内騒音基準を大きく超えるレベルにあり,患者および医療スタッフの健康被害をもたらす可能性がある。周波数分析からは低周波音の関与が示唆された。

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© 2009 日本集中治療医学会
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