日本集中治療医学会雑誌
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総説
急性腎傷害における酸塩基平衡異常の成因と血液浄化法による是正のメカニズム
—Stewart approachによる解析—
中 敏夫
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2012 年 19 巻 3 号 p. 331-339

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抄録

急性腎傷害での酸塩基平衡異常の成因と持続血液浄化法(continuous renal replacement therapy, CRRT)による是正機序をStewart approachにより解析した。急性腎傷害では代謝性アシドーシスによる酸血症をきたしていた。その成因としては,strong ion difference apparentの減少,リン酸の上昇,strong ion gap(SIG)の増加が挙げられたが,低アルブミン血症により緩衝されていた。一方,CRRTによりSIG,リン酸,Clが減少しアシドーシスは是正された。また,乳酸緩衝液によるCRRTでは乳酸負荷による乳酸の増加が見られたが,重炭酸緩衝液によるCRRTでは乳酸排泄がアシドーシス是正に寄与する可能性がある。乳酸緩衝液によるhigh volume hemofiltrationでは,乳酸が一時的に増加するため注意が必要である。

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© 2012 日本集中治療医学会
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