日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
Posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)の小児症例9例に関する検討
多賀谷 貴史篠原 真史久我 修二問田 千晶六車 崇
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2014 年 21 巻 4 号 p. 359-364

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抄録
Posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)の小児での発症頻度は明らかではないが,小児腎移植患者で3.5~5.9%との報告がある。成人と同様に,高血圧,免疫抑制薬の使用が危険因子となる。小児では,成人に比べ,高血圧による自己調節能の破綻を来たしやすく,より迅速かつ厳密な血圧管理が必要と思われる。自験例9例。年齢2~10歳(中央値:6.3歳)。全例で基礎疾患を有し,8例で免疫抑制薬が使用されていた。全例で発症時,意識障害と収縮期血圧99th percentile以上の高血圧を認めた。神経学的転帰不良3例で,発症後24時間の血圧管理に難渋し,年齢血圧の99th percentile未満に管理できた時間が少なかった。また,基礎疾患の病勢管理に難渋した。今回の検討から,発症早期の迅速な降圧と基礎疾患の管理が重要と考えられた。
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© 2014 日本集中治療医学会
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