日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
発作性徐脈症候群の関与を疑った抗glutamic acid decarboxylase(GAD)抗体関連の難治性てんかんの一例
宮本 将太陣上 直人柚木 知之髙谷 悠大樽野 陽亮松本 理器髙橋 良輔大鶴 繁
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2021 年 28 巻 5 号 p. 445-449

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抄録

要約:【背景】側頭葉てんかんに関連して徐脈や心静止を伴うことがあり,発作性徐脈症候群といわれている。徐脈性不整脈を繰り返した抗glutamic acid decarboxylase(GAD)抗体関連の難治性てんかん症例を経験したので報告する。【症例】抗GAD抗体関連の左側頭葉てんかんの30歳女性が,腎盂腎炎による敗血症に付随した急性腎機能障害のため入院した。治療中に徐脈性不整脈を3回発症し,ICU管理を要した。カテコラミンに不応で最終的に徐脈が原因で死亡した。再発時には電解質異常を呈しており,てんかん閾値が下がった可能性があった。 てんかんのコントロールが不良であったため,発作性徐脈症候群が関与した突然死の可能性が示唆された。【結論】難治性てんかん症例で,発作性徐脈症候群を疑う症例では,発作時脳波同時記録および待機的体外式ペーシングの適応を考慮することが重要である。

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© 2021 日本集中治療医学会
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