要約:急性カフェイン中毒は用量依存性の反応を示し,同じくキサンチン誘導体であるテオフィリン中毒に症状や機序が類似する。致死量の急性カフェイン中毒に対して血液透析(hemodialysis, HD)を施行して改善を認めた症例を経験し,経過中のカフェインおよび中間代謝産物のテオフィリン血中濃度の推移から治療戦略について検討した。本症例のカフェインとテオフィリンの血中濃度は,内服後早期で異なった推移を示した。HD施行後,腸管再吸収に伴うカフェイン血中濃度再上昇時も含め,両者は相似的に推移した。HD効果によるカフェイン血中濃度低下の指標や,再吸収による血中濃度再上昇の指標として,テオフィリン血中濃度の推移は参考となる可能性が示唆された。
抄録全体を表示