2026 年 33 巻 論文ID: 33_R8
アニオンギャップ開大性代謝性アシドーシス(anion gap metabolic acidosis, AGMA)の原因は多岐にわたり,病態の同定が困難なこともあるが,様々な病態を想定して早期から介入する必要がある。症例は2型糖尿病とアルコール使用障害の既往がある48歳,男性。来院時に腹痛と低血糖と乳酸アシドーシスを認めたため,人工呼吸管理を含む集中治療を開始した。その後,sodium-glucose cotransporter 2阻害薬などの内服歴が明らかになる前に尿検査と簡易Stewart法による血液ガス分析の解釈によりケトアシドーシスの存在を同定した。そのため,糖補充後に血糖値をモニタリングしつつ早期からインスリンの投与を開始し,アシドーシスの改善を得た。後日血中ケトン濃度からhypoglycemic diabetic ketoacidosisと診断した。高度のAGMAでは,簡易Stewart法を用いたその他のイオン(other ions)の評価が重要である。