2003 年 10 巻 1 号 p. 23-27
重症喘息発作においては初期の集約的治療が重要である。今回,β刺激薬吸入,ステロイドなどに反応せずICUに入室し,イソプロテレノール点滴静注・マグネシウム併用により気管挿管することなく管理しえた2症例を経験した。イソプロテレノール最大投与速度は症例1,2でそれぞれ0.16,0.36μg・kg-1・min-1,また最高血中イオン化マグネシウム濃度はそれぞれ0.48,0.83mmol・l-1であった。イソプロテレノール投与に伴う心筋虚血症状,マグネシウム投与に伴う筋力低下などの副作用は認められなかった。静注可能なβ刺激薬であるイソプロテレノールと,β作用を増強し,かつ心筋保護作用を有するマグネシウムの併用は,重症喘息症例において有用な治療法になりうると思われた。