日本集中治療医学会雑誌
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心停止をきたした脚気心の1症例
森田 善仁讃岐 美智義世良 昭彦木下 博之
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2003 年 10 巻 2 号 p. 111-116

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抄録

心停止をきたした脚気心症例を経験し,PCPS下に,ビタミンB1を静注し救命しえた。48歳男性。ショック,呼吸困難のため当院に緊急搬送された。来院時,重篤な循環不全と代謝性アシドーシスを認めた。カテコラミンや重炭酸ナトリウム投与,IABPによる循環補助によっても症状の改善を認めず,心臓カテーテル検査中,心停止をきたしたためPCPSを導入した。諸検査後,心筋梗塞,肺梗塞,心タンポナーデを否定し,病歴から脚気心を疑った。ビタミンB1100mgを静注後,2時間でアシドーシスの改善がみられ,6時間で循環動態が安定したためPCPSを離脱した。原因不明のショック,アシドーシスでは,脚気心を疑い,速やかにビタミンB1を投与するべきである。

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